AIが客を呼ぶ店

大正区のパーソナルジムをAIに300回聞いたら、おすすめは「一強」だった——AI言及率 実測レポート #1

この調査について

お客さんが店を探すとき、GoogleではなくChatGPTやGeminiなどのAIに「近くのおすすめ」を聞くケースが増えています。では、AIは実際にどの店を挙げているのか。それを確かめるため、大阪市大正区を対象に実測調査を行いました。

調査方法

  • 対象AI: ChatGPT(OpenAI API・web検索有効)、Gemini(Google検索グラウンディング有効)
  • 質問: 「{地名} パーソナルジム おすすめ」「{地名} パーソナルトレーニング 人気」など5パターン × 地名3種(大正区/大正駅/ドーム前)
  • 試行: 各パターン10回ずつ、合計300リクエスト(比較用に大正区のラーメン店でも120リクエストを別途実施)
  • 指標: AI言及率 = 全回答のうち、その店の名前が挙がった回答の割合
  • 実施日: 2026年8月1日(回答は日々変動するため、同一日に一括計測)

結果1: AIのおすすめは一強に偏っていた

「大正区 パーソナルジム おすすめ」系の質問では、e-fitness24(大正区)が言及率81%と回答をほぼ独占していました。2位は区内の24時間ジム(61%)。以下は大きく離れ、登録した比較対象12店のうち7店は言及率5%未満でした。

店舗言及率(大正区・100回)
e-fitness2481%
区内の24時間ジム(実験対象)61%
24DIAMONDGYM 桜川店16%
かたぎり塾 桜川店3%
LIGHT FIT 九条店1%
その他7店0〜1%

なお、Googleマップ上で★5.0(口コミ47件・調査日時点)と高評価のパーソナルジムでも、AI言及率は1%でした。口コミ評価の高さと、AIに選ばれるかどうかは、別の問題でした。

結果2: 地名が変わると、王者が消えた

同じ質問の地名だけを変えると、順位は激変しました。

店舗大正区大正駅ドーム前
e-fitness2481%60%2%
区内の24時間ジム(実験対象)61%32%0%
LIGHT FIT 九条店1%1%37%

大正区で81%だったe-fitness24は、「ドーム前」ではわずか2%。代わりに、大正区ではほぼ挙がらない九条のジムが37%で最上位になりました。しかも「ドーム前」クエリでは過半数を取る店が存在せず、事実上の空白地帯です。

同じ現象はラーメン店の調査でも確認されました。「大正区 ラーメン」で言及率97%だった店が、「大正駅 ラーメン」では22%に転落しています。

AIは、店と地名の紐付けをウェブ上の文章から学んでいます。そのため、公式情報や口コミ・紹介記事に書かれていない地名では、実力と無関係に「存在しない店」になります。

結果3: AIが読んでいる"教科書"は特定できる

各回答の引用元(参照ドメイン)を集計すると、AIが何を読んで回答を作っているかが見えました。

  • ジムの質問: フィットネス系まとめ・検索サイト(asreet、takumee、fitmap等)、ホットペッパー、チェーン公式サイトが上位。言及率81%のe-fitness24は、自社サイト自体が引用元の23%に食い込んでいました
  • ラーメンの質問: 店の公式サイト、個人ブログ(ameblo、exblog等)、Retty、favyが上位。食べログは27%と、想像より低め
  • さらに、同じジムの質問でも地名が変わると引用されるサイト群が入れ替わることも確認されました
引用元(ジム・全300回)出現率
asreet.com49%
ホットペッパー43%
takumee.jp40%
fitmap.jp39%
fitplace.jp37%
e-fitness24.jp(言及率1位の店の公式サイト)23%

つまり「どのサイトに情報を載せれば、どの質問で挙がりやすくなるか」は、引用元の実測から逆算できます。

おまけ: ChatGPTは地名が曖昧だと聞き返してくる

ChatGPTは「どのドーム前ですか?(名古屋ドーム周辺?)」のように、店を挙げず質問を返してくることがあります。その割合は地名によって大きく違いました。

質問した地名ChatGPTが聞き返した割合Gemini
大正区22%(11/50)0%
大正駅76%(38/50)0%
ドーム前98%(49/50)0%

「ドーム前」では50回中49回、ChatGPTは店を挙げずに聞き返しました(ChatGPT全体では65%)。AIに店を聞くときは、地名を具体的に書くのがコツのようです。

まとめと次回

  • AIのおすすめは、検索順位以上に少数の店へ偏る
  • 店とAIの紐付けは「地名単位」。売りたい地名で書かれていない店は、その地名の質問で消える
  • AIの参照元は実測で特定でき、対策は逆算できる

次回は、この調査で言及率61%だった店に対して情報整備の施策を行い、2週間後に言及率がどう変化したかを報告します。

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訂正履歴
2026-08-02: 逆質問の判定ロジックの不具合(URL内の疑問符を誤検出)を修正し、67%→65%に訂正しました。

本調査は個人による実測であり、AIの回答は日々変動します。数値は調査実施日時点のものです。
調査手法・生データについての質問は、Instagram(@ai_yobu_mise)までお気軽にどうぞ。